スズキは2025年5月7日、人気の軽自動車「ワゴンRスマイル」に、クリームデザートをモチーフにした特別仕様車「クリームコーデ」を発売しました。トープグレージュメタリックという新色を含む3色のボディカラーとソフトベージュのルーフを組み合わせた2トーンカラーが特徴です。
「クリームコーデなんて気持ち悪い?」「本当に売れないのでは?」という声も聞かれますが、実際にはその個性的なデザインが人気を集めています。特にピュアホワイトパールを筆頭とする人気色に加え、今回の特別仕様モデルが注目を集めているのです。
この記事では、クリームコーデの魅力はもちろん、2024年12月のマイナーチェンジで変更された点や、基本スペック、燃費性能、各グレードの特徴と装備、価格など、購入を検討されている方に役立つ情報を詳しく解説します。また、同じスズキのSUVテイストの「ハスラー」との比較や、気になる欠点とその対策についても触れていきます。
特別仕様車「クリームコーデ」の概要

- 特別仕様車「クリームコーデ」の概要
- クリームコーデの価格と予算
- ワゴンRスマイルの基本スペック
- 各グレード別の特徴と装備
- ワゴンRスマイルの燃費性能
- スズキハスラーとの比較ポイント
スズキは2025年5月7日、人気の軽自動車「ワゴンRスマイル」に特別仕様車「クリームコーデ」を設定し、発売を開始しました。このクリームコーデは、かわいらしさをさらに強調した特別仕様車です。
クリームデザートをモチーフにしたデザイン
クリームコーデという名前の通り、おしゃれなクリームデザートをモチーフにした配色が特徴です。ワゴンRスマイルHYBRID Xをベースにしており、フロントグリルやドアミラー、ドアピラーの一部がソフトベージュに変更されています。このソフトベージュカラーが全体の印象を柔らかく、明るい雰囲気に仕上げています。
また、インテリアにもこだわりが見られます。インパネカラーパネルやドアアームレストなどのインテリア加飾にもベージュを採用することで、外装との統一感を演出しています。これにより、乗り込んだ瞬間からクリームデザートのようなやさしい空間を感じることができます。
カラーバリエーション
クリームコーデで選べるボディカラーは次の3色です。
- モスグレーメタリック×ソフトベージュ
- オフブルーメタリック×ソフトベージュ
- トープグレージュメタリック×ソフトベージュ
すべてのカラーでソフトベージュのルーフとの2トーンカラーが採用されており、統一感のあるデザインに仕上がっています。特に新色として採用されたトープグレージュメタリックは、落ち着いた茶色がかったグレージュカラーで、大人可愛い印象が特徴です。
安全性能
クリームコーデも、ワゴンRスマイルの標準的な安全装備をしっかりと備えています。経済産業省や国土交通省などが普及を推進する「サポカーS ワイド」、国土交通省による「ペダル踏み間違い急発進抑制装置(PMPD)認定車」に該当します。
衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポートⅡ」などの先進安全技術も標準装備されており、見た目の可愛らしさだけでなく、安全性能も高いモデルに仕上がっています。
特別仕様車のメリットとデメリット
メリットとしては、通常のワゴンRスマイルでは味わえない特別感を楽しめる点が挙げられます。統一感のあるデザインは、見る人の目を引くこと間違いありません。また、限定生産となる場合が多いため、希少性も魅力の一つです。
一方、デメリットとしては、通常モデルより価格が高くなる傾向があります。また、特別仕様車は生産期間が限られているため、欲しいと思ったときに既に終了していることもあります。さらに、将来的なパーツ供給や修理対応などが通常モデルに比べて制限される可能性もあるため、長期的な視点で購入を検討する必要があるでしょう。
このように、クリームコーデは見た目の可愛らしさと特別感を重視した特別仕様車です。デザイン性を重視する方や、他のユーザーとの差別化を図りたい方にとって、魅力的な選択肢となるでしょう。
クリームコーデの価格と予算

クリームコーデの価格は、2WD(FF)モデルが186万4,500円、4WDモデルが198万4,400円(いずれも消費税込み)となっています。これは、ベースグレードであるHYBRID X(2トーンルーフ車)と同額の設定です。特別仕様車であるにもかかわらず価格据え置きという点は、購入を検討する上で大きなメリットといえるでしょう。
月々の支払いプラン
クリームコーデを購入する際の月々の支払いプランについて考えてみましょう。自動車ローンを利用した場合、頭金や支払い期間によって月々の支払額は変わってきます。
例えば、2WD(FF)モデルを頭金なしで5年ローン(金利2.5%)で購入した場合、月々の支払いは約3万5千円程度になります。これに自動車保険や税金、メンテナンス費用などを合わせると、月々の維持費は約5万円程度と考えておくとよいでしょう。
もしかしたら、予算を抑えたい方にはカーリースという選択肢もあります。カーリースであれば、初期費用を抑えて月々定額で支払いができるため、資金計画が立てやすいメリットがあります。
購入時の諸費用
クリームコーデを購入する際には、車両本体価格以外にも以下のような諸費用がかかります。
- 登録諸費用:約2〜3万円
- 自動車税(環境性能割):非課税〜2.0%(グレードや地域により異なる)
- 自動車重量税:非課税〜1万円程度(車両重量により異なる)
- リサイクル料金:約1万円
- 納車費用:ディーラーによって異なる
これらを合わせると、車両本体価格に加えて約5〜10万円程度の諸費用がかかると考えておくとよいでしょう。
特別仕様車の予算計画のポイント
特別仕様車を購入する際は、いくつか注意すべきポイントがあります。
まず、特別仕様車は通常モデルよりもオプション装備が標準で付いていることが多いため、実質的にはお得になるケースが多いです。クリームコーデの場合、特別なカラーリングやインテリア加飾が追加されていながら、ベースグレードと同額という点は大きなメリットといえます。
ただし、特別仕様車は生産期間が限られているため、納車までに時間がかかる場合があります。購入を検討している方は、早めにディーラーに相談することをおすすめします。
また、中古車市場での価値という観点では、特別仕様車は通常モデルよりも希少性が高いため、将来的な売却時に価値が維持されやすい傾向があります。長期的な視点で考えると、初期投資は大きくても将来的なメリットがある可能性もあります。
このように、クリームコーデは特別仕様車でありながらベースグレードと同額という価格設定で、コストパフォーマンスの高さも魅力の一つです。ただし、購入にあたっては諸費用や維持費も含めた総合的な予算計画を立てることが大切です。
ワゴンRスマイルの基本スペック
ワゴンRスマイルは、スズキの人気軽自動車「ワゴンR」をベースに、スライドドアを採用した派生モデルです。2021年9月に発売され、その親しみやすいデザインと実用性で多くのユーザーから支持されています。ここでは、ワゴンRスマイルの基本的なスペックについて詳しく解説します。
エンジン・パワートレイン
ワゴンRスマイルには、660cc直列3気筒エンジンが搭載されています。このエンジンは、R06D型と呼ばれるもので、低中速域での優れた動力性能と高い静粛性を兼ね備えています。グレードによって、通常のガソリンエンジンとマイルドハイブリッドシステム搭載車の2種類が用意されています。
マイルドハイブリッドシステムは、減速時に発生するエネルギーを利用して発電し、その電力をバッテリーに充電。加速時にモーターアシストを行うことで燃料消費を抑制します。さらに、約10km/h以下になるとエンジンを自動停止させるアイドリングストップ機能も備えています。
トランスミッションは全グレードでCVT(無段変速機)が採用されており、スムーズな加速と燃費向上に貢献しています。駆動方式は、FF(前輪駆動)と4WD(四輪駆動)から選択可能です。
ボディサイズ・重量
ワゴンRスマイルのボディサイズは以下の通りです。
- 全長:3,395mm
- 全幅:1,475mm
- 全高:1,695mm
- ホイールベース:2,460mm
- 室内長:2,185mm
- 室内幅:1,345mm
- 室内高:1,330mm
- 車両重量:840〜920kg(グレード・駆動方式により異なる)
軽自動車の規格内に収まるコンパクトなボディながら、室内空間は広々としています。特に全高はワゴンRより45mm高く設計されており、頭上空間に余裕があります。
安全装備
ワゴンRスマイルには、「スズキセーフティサポート」と呼ばれる先進安全技術が搭載されています。主な安全装備は以下の通りです。
- デュアルセンサーブレーキサポートⅡ(衝突被害軽減ブレーキ)
- 誤発進抑制機能
- 車線逸脱警報機能
- ふらつき警報機能
- 先行車発進お知らせ機能
- ハイビームアシスト
- アダプティブクルーズコントロール(ACC)※一部グレードのみ
- 全方位モニター※メーカーオプション
このような充実した安全装備により、「サポカーS ワイド」や「ペダル踏み間違い急発進抑制装置(PMPD)認定車」に該当しています。
快適装備
ワゴンRスマイルには、日常使いに便利な快適装備も充実しています。
- 両側スライドドア(「HYBRID S」以上はワンアクションパワースライドドア)
- キーレスプッシュスタートシステム
- USB電源ソケット
- LEDヘッドランプ(一部グレードのみ)
- シートヒーター(一部グレードのみ)
- オートエアコン
特に両側スライドドアは、狭い駐車場での乗り降りや子どもの送迎などに便利です。開口幅は約600mm、リヤステップ地上高は345mmと、乗降性に優れています。
このように、ワゴンRスマイルは軽自動車ながらも充実したスペックを備えており、日常使いに便利な一台となっています。コンパクトなボディサイズながら広い室内空間、充実した安全装備と快適装備など、総合的にバランスの取れた車といえるでしょう。
各グレード別の特徴と装備
ワゴンRスマイルには、「G」「HYBRID S」「HYBRID X」という3つの基本グレードがあり、それに特別仕様車「クリームコーデ」が加わります。ここでは、各グレードの特徴と装備の違いについて詳しく解説していきます。
エントリーグレード「G」
「G」はワゴンRスマイルのエントリーグレードで、ガソリンエンジン車となります。基本的な装備は揃っていますが、価格を抑えるためにシンプルな仕様になっています。
主な装備
- 660cc直列3気筒ガソリンエンジン
- ハロゲンヘッドランプ
- 両側スライドドア(手動式)
- キーレスプッシュスタートシステム
- デュアルセンサーブレーキサポートⅡ
- インパネカラーパネル:アイボリー
- シート表皮:ダークグレー
「G」グレードの価格は、2WDが129万6,900円、4WDが142万100円(消費税込み)です。マイルドハイブリッドを搭載していないため、他のグレードに比べて燃費性能はやや劣りますが、価格を抑えたい方にはおすすめのグレードです。
中間グレード「HYBRID S」
「HYBRID S」は、マイルドハイブリッドシステムを搭載した中間グレードです。「G」グレードの装備に加えて、ワンアクションパワースライドドアなどの便利な装備が追加されています。
主な装備(「G」グレードからの追加・変更点)
- マイルドハイブリッドシステム
- ワンアクションパワースライドドア(両側)
- インパネカラーパネル:アイボリーパールまたはネイビーパール(ボディカラーにより異なる)
- メッキフロントグリル
- メッキヘッドランプガーニッシュ
- 2トーンカラーホイールキャップ
- アダプティブクルーズコントロール(ACC)
「HYBRID S」グレードの価格は、2WDが151万8,900円、4WDが164万2,100円(消費税込み)です。パワースライドドアやアダプティブクルーズコントロールなど、日常使いに便利な装備が充実しているため、コストパフォーマンスの高いグレードといえます。
上級グレード「HYBRID X」
「HYBRID X」は、ワゴンRスマイルの上級グレードです。「HYBRID S」の装備に加えて、LEDヘッドランプや360°プレミアムUV&IRカットガラスなど、さらに快適な装備が追加されています。
主な装備(「HYBRID S」グレードからの追加・変更点)
- LEDヘッドランプ
- LEDポジションランプ
- LEDフロントフォグランプ
- 360°プレミアムUV&IRカットガラス
- シートヒーター(運転席・助手席)
- インパネカラーパネルと同色のフロントドアアームレスト
- シート表皮:ライトグレー
「HYBRID X」グレードの価格は、2WDが163万1,900円、4WDが175万1,800円(消費税込み)です。最も充実した装備を備えているため、快適性を重視する方におすすめのグレードです。
特別仕様車「クリームコーデ」
「クリームコーデ」は、「HYBRID X」をベースにした特別仕様車です。クリームデザートをモチーフにしたデザインが特徴で、フロントグリルやドアミラー、ドアピラーの一部がソフトベージュになっています。
主な装備(「HYBRID X」グレードからの変更点)
- ソフトベージュのフロントグリル(メッキ加飾付き)
- ソフトベージュのドアミラー
- ソフトベージュのフロントピラー(フロントドア側)・センターピラー
- ベージュを採用したインパネカラーパネルやドアアームレスト
「クリームコーデ」の価格は、2WDが186万4,500円、4WDが198万4,400円(消費税込み)です。これは「HYBRID X」の2トーンルーフ車と同額の設定となっています。
このように、ワゴンRスマイルには様々なグレードが用意されており、予算や優先したい装備によって選ぶことができます。パワースライドドアや安全装備は中間グレードの「HYBRID S」から充実してくるため、実用性を重視するなら「HYBRID S」以上がおすすめです。特別なデザインを楽しみたい方は「クリームコーデ」を検討してみるとよいでしょう。
ワゴンRスマイルの燃費性能

ワゴンRスマイルの大きな魅力の一つが、優れた燃費性能です。エンジンタイプや駆動方式によって燃費性能は異なりますが、マイルドハイブリッドシステムの採用により、軽自動車の中でもトップクラスの低燃費を実現しています。
カタログ燃費
ワゴンRスマイルのWLTCモードカタログ燃費は以下の通りです。
グレード | 駆動方式 | WLTCモード燃費 |
---|---|---|
G | 2WD(FF) | 21.2km/L |
G | 4WD | 19.8km/L |
HYBRID S・HYBRID X | 2WD(FF) | 25.1km/L |
HYBRID S・HYBRID X | 4WD | 24.2km/L |
マイルドハイブリッドシステムを搭載した「HYBRID S」と「HYBRID X」は、通常のガソリンエンジンの「G」グレードよりも約4km/L燃費が向上しています。特にFF車の25.1km/Lという数値は、軽自動車の中でもトップクラスの低燃費性能です。
実燃費データ
カタログ燃費は理想的な条件下での数値ですが、実際のユーザーが報告している実燃費はどうでしょうか。ユーザーレビューサイトによると、ワゴンRスマイルの実燃費は以下のような傾向があります。
- HYBRID S・HYBRID X(2WD):約20〜23km/L
- HYBRID S・HYBRID X(4WD):約18〜21km/L
- G(2WD):約17〜19km/L
- G(4WD):約15〜17km/L
一般的に実燃費はカタログ燃費より低くなる傾向がありますが、それでも優れた燃費性能を示しています。特にマイルドハイブリッド車は、市街地走行や渋滞時などでもアイドリングストップ機能が効果を発揮し、燃料消費を抑えることができます。
燃費向上のための技術
ワゴンRスマイルが優れた燃費性能を実現できている理由は、様々な燃費向上技術を採用しているからです。
1. マイルドハイブリッドシステム 「HYBRID S」と「HYBRID X」に搭載されているマイルドハイブリッドシステムは、減速時に発生するエネルギーを利用して発電し、その電力をバッテリーに充電。加速時にモーターアシストを行うことで燃料消費を抑制します。
2. アイドリングストップシステム 信号待ちなどで停車した際に自動的にエンジンを停止させるシステムです。マイルドハイブリッド車では、停車前の減速時約10km/h以下になるとエンジンを停止させる機能も備えています。
3. ハーテクト 高い剛性と軽量化を実現させたプラットフォーム「ハーテクト」を採用。車体の軽量化により燃費向上に貢献しています。
4. エコドライブアシスト照明 燃費効率がよい運転状態になると、メーターパネル上の照明色がブルーからグリーンに変化。さらにマイルドハイブリッド車では、減速エネルギー回生時にはホワイトに変化します。この視覚的なフィードバックにより、燃費の良い運転をサポートします。
ライバル車との燃費比較
ワゴンRスマイルのライバル車として挙げられるダイハツ「ムーヴキャンバス」と燃費を比較してみましょう。
車種 | グレード | 駆動方式 | WLTCモード燃費 |
---|---|---|---|
ワゴンRスマイル | HYBRID S・X | 2WD | 25.1km/L |
ワゴンRスマイル | HYBRID S・X | 4WD | 24.2km/L |
ムーヴキャンバス | X | 2WD | 23.2km/L |
ムーヴキャンバス | X | 4WD | 21.2km/L |
比較すると、ワゴンRスマイルの方が燃費性能が優れていることがわかります。これは、スズキのマイルドハイブリッドシステムの効率性が高いこと、そして車体設計の違いなどが影響していると考えられます。
このように、ワゴンRスマイルは軽自動車の中でもトップクラスの低燃費性能を持っており、経済性を重視するユーザーにとって大きなメリットとなっています。特にマイルドハイブリッド車は、少し価格は上がりますが、長期的に見れば燃料費の節約につながるため、お得な選択肢と言えるでしょう。
スズキハスラーとの比較ポイント
スズキの軽自動車ラインナップの中で、ワゴンRスマイルとハスラーはどちらも個性的なデザインと実用性を兼ね備えたモデルとして人気があります。しかし、コンセプトや特徴、ターゲット層は異なります。ここでは、両車の主な違いを比較して、どちらが自分に合っているかを判断するための参考にしていただきます。
デザイン・外観の違い
ワゴンRスマイルは、丸目のヘッドライトが特徴的な親しみやすいデザインが魅力です。四角いボディのフォルムに丸みを帯びたヘッドライトを組み合わせることで、個性的で可愛らしい印象を与えます。特にクリームコーデは、ソフトベージュを取り入れたデザインでさらに優しい印象になっています。
一方、ハスラーはアウトドアグッズなどからインスピレーションを受けた、タフで冒険心をくすぐるデザインが特徴です。角ばったボディラインと直線的なフロントマスクにより、力強さと存在感を主張しています。
ボディサイズ・室内空間
項目 | ワゴンRスマイル | ハスラー |
---|---|---|
全長 | 3,395mm | 3,395mm |
全幅 | 1,475mm | 1,475mm |
全高 | 1,695mm | 1,665〜1,680mm |
室内長 | 2,185mm | 2,035〜2,215mm |
室内幅 | 1,345mm | 1,295〜1,330mm |
室内高 | 1,330mm | 1,250〜1,270mm |
全長や全幅は軽自動車の規格上同じですが、全高はワゴンRスマイルの方がやや高くなっています。室内空間については、ワゴンRスマイルの方が広い傾向にあります。特に室内高はワゴンRスマイルの方が約60〜80mm高く、頭上空間に余裕があります。
ドア・乗降性
ワゴンRスマイルの最大の特徴は、両側スライドドアを採用している点です。狭い駐車場での乗り降りや荷物の積み込みに便利で、子どもがいる家庭では特にメリットがあります。また、スライドドアの開口幅は約600mm、リヤステップ地上高は345mmと乗降性に優れています。
一方、ハスラーは通常の開き戸(ヒンジドア)を採用しています。スライドドアと比べると狭い場所での開閉に制約がありますが、開口部は広くとられており、乗降性自体は良好です。
走行性能・4WD性能
ハスラーは、スズキの中でも特にアウトドア志向が強いモデルです。4WD車には雪道で安定した走りを実現するスノーモードや、スリップを防止するグリップコントロール、急坂を降りる際に自動的に車速を約7km/hにコントロールするヒルディセントコントロールなど、SUVらしい機能が充実しています。
ワゴンRスマイルも4WDは選択できますが、基本的には街乗り向けの設計です。雪道などの悪路走破性はハスラーに及びませんが、通常の道路では安定した走行性能を発揮します。
エンジン・パワートレイン
ワゴンRスマイル | ハスラー | |
---|---|---|
エンジン | 660cc直列3気筒 | 660cc直列3気筒 |
パワートレイン | ガソリン / マイルドハイブリッド | マイルドハイブリッド |
トランスミッション | CVT | CVT |
駆動方式 | FF / 4WD | FF / 4WD |
ハスラーは全グレードでマイルドハイブリッドが標準装備されているのに対し、ワゴンRスマイルはグレードによってガソリンエンジン車も選べます。また、ハスラーは一部グレードでターボエンジンも選択可能です。
価格比較
グレード | ワゴンRスマイル | ハスラー |
---|---|---|
エントリー | 約130万円〜 | 約137万円〜 |
ミドル | 約152万円〜 | 約160万円〜 |
上級 | 約163万円〜 | 約175万円〜 |
同等のグレードで比較すると、基本的にはハスラーの方がやや高価な傾向にあります。これは、ハスラーが全グレードでマイルドハイブリッドを標準装備していることや、アウトドア向けの装備が充実していることが影響していると考えられます。
どちらを選ぶべきか
- ハスラーがおすすめの方:アウトドア活動を楽しむ方、雪道や悪路の走行が多い方
- ワゴンRスマイルがおすすめの方:両側スライドドアの利便性を重視する方、都市部での使用が多い方、広い室内空間を求める方、可愛らしいデザインを好む方
ワゴンRスマイル特別仕様車「クリームコーデ」の詳細

- 2024年マイナーチェンジの変更点
- ワゴンRスマイルの人気色ランキング
- ワゴンRスマイルが「気持ち悪い」と言われる理由
- ワゴンRスマイルは売れてない?
- ワゴンRスマイルの欠点と対策
2024年マイナーチェンジの変更点
スズキは2024年12月10日、ワゴンRスマイルの一部仕様を変更してマイナーチェンジを実施しました。このマイナーチェンジでは、外観デザインの刷新から安全装備の充実まで、様々な変更が加えられています。以下、主な変更点について詳しく解説します。
フロントデザインの刷新
今回のマイナーチェンジで最も目立つ変更点は、フロントデザインの刷新です。フロントバンパー、フロントグリル、ロアグリルのデザインが変更され、フロントフェイスがより親しみやすい「スマイルフェイス」になりました。特に丸目のヘッドライトと組み合わさった新しいフロントグリルは、見る人に微笑みかけるような愛らしい印象を与えます。
これまでグレードやボディカラーによってフロントグリルデザインが異なっていましたが、マイナーチェンジ後はデザインが統一されました。これにより、ブランドイメージの一貫性が高まっています。また、ホイールキャップのデザインも変更され、車体色に合わせたカラーリングが採用されています。
電動パーキングブレーキの採用
機能面での大きな変更点として、電動パーキングブレーキ(EPB)とオートブレーキホールド(ABH)機能が新たに採用されました。これにより、信号待ちなどの一時停止時にブレーキペダルから足を離しても停車状態を維持できるようになり、運転の疲労軽減につながります。
電動パーキングブレーキは従来のレバー式と比べてスペースを取らず、インテリアもすっきりとした印象になります。また、発進時に自動で解除される機能も備えており、利便性が大幅に向上しています。この装備はスズキの軽自動車では珍しく、同社の他のモデルであるソリオやソリオバンディットにも同時期に導入されています。
内装の変更点
インテリアにも変更が加えられ、インパネカラーパネルに新色が採用されました。新色としてハイライトでゴールドに輝く上品な「リフレクショングレー&カッパーゴールド」の組み合わせと、スモークがかかった優しい風合いの「モスブルー&シルバー」の組み合わせが追加されています。
また、フロントドアアームレストがインパネカラーパネルと同色になったことで、室内の統一感が増し、より上質な空間になりました。シートヒーターも運転席だけでなく助手席にも標準装備されるグレードが増え、冬場の快適性が向上しています。
USB電源ソケットの変更
実用面では、USB電源ソケットの仕様が変更されました。これまで2個あったType-A USBソケットのうち、1個がType-Cに変更されています。最近のスマートフォンやタブレットなどではType-C端子が増えていることから、ユーザーの利便性を考慮した変更と言えるでしょう。
安全装備の進化
安全面では、スズキの先進安全技術「スズキセーフティサポート」が進化しています。衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポートⅡ」の機能が強化され、夜間の歩行者検知性能が向上しました。
また、アダプティブクルーズコントロール(ACC)に全車速追従機能・停止保持機能が追加され、渋滞時の運転負荷が軽減されています。さらに、一部グレードでは標識認識機能や全方位モニターが設定されるなど、安全性と利便性が大幅に向上しています。
特筆すべきは、スズキとして初めて「パワースライドドア予約ロック機能」が採用されたことです。これにより、スライドドアが閉まりきる前にドアロックを予約することができ、乗り降りの際の利便性が向上しています。
ボディカラーの追加
ボディカラーにも変更があり、新色として「トープグレージュメタリック」が追加されました。落ち着いた茶色がかったグレージュカラーで、大人可愛い印象が特徴です。これにより、ボディカラーのバリエーションがさらに充実しました。
価格の変更
マイナーチェンジに伴い、価格も改定されています。基本グレードの「G」は2WDが148万9400円、4WDが161万2600円となり、「HYBRID S」は2WDが171万7100円、4WDが184万300円、「HYBRID X」は2WDが181万5000円、4WDが193万4900円(いずれも消費税込み)となっています。
旧モデルと比較すると、装備の充実や安全性能の向上を考慮しても、価格上昇幅は13万7500円程度と大きくなっています。ただし、電動パーキングブレーキやアダプティブクルーズコントロールの進化など、実用的な機能が大幅に向上していることを考えれば、コストパフォーマンスは維持されていると言えるでしょう。
このように、2024年12月のマイナーチェンジでは、デザイン面から機能面まで幅広い変更が加えられました。特に電動パーキングブレーキの採用や安全装備の進化は、日常使いの快適性を大きく向上させる変更と言えます。また、デザインの刷新により、より親しみやすく愛らしい印象になったことも、ワゴンRスマイルの魅力をさらに高めています。
ワゴンRスマイルの人気色ランキング
ワゴンRスマイルは豊富なカラーバリエーションが用意されており、自分の好みやライフスタイルに合った色を選ぶことができます。ここでは、ワゴンRスマイルの人気色ランキングと、カラー選びのポイントについて解説します。
人気色ランキングTOP5
1位:ピュアホワイトパール
ワゴンRスマイルの人気色No.1は、ピュアホワイトパールです。清潔感があり、どんなシーンにも合う万能カラーです。特に、ワゴンRスマイルの丸みを帯びたデザインと相まって、優しく品のある印象を与えます。単色とブラックルーフの2トーンから選ぶことができますが、2トーンタイプはスポーティな印象になり、若い世代にも人気があります。
ただし、ピュアホワイトパールは有料色で22,000円のオプション費用がかかる点には注意が必要です。
2位:ブルーイッシュブラックパール
2位はブルーイッシュブラックパールです。ホワイトと並んで高い人気を誇るこのカラーは、ワゴンRスマイルの中で最も高級感を感じさせる色の一つです。光の当たり方によって表情が変わり、深みのある美しさが特徴です。
こちらも単色とホワイトルーフの2トーン仕様が選べます。ホワイトルーフとの2トーンは、ブラックとホワイトの対比が美しく、洗練された印象を与えます。
3位:コーラルオレンジメタリック2トーン
3位はコーラルオレンジメタリック2トーンです。公式サイトでも頻繁に使用される、ワゴンRスマイルを象徴するようなカラーです。明るく華やかな印象で、街中で見かけると思わず目を引く色合いです。
特にブラウンルーフとの組み合わせは、オレンジの鮮やかさとブラウンの落ち着きが絶妙なバランスで調和し、大人可愛い雰囲気を演出しています。
4位:オフブルーメタリック/2トーン
4位はオフブルーメタリック/2トーンです。爽やかな水色とワゴンRスマイルの可愛らしいデザインが絶妙にマッチした、定番の人気カラーとなっています。明るく開放的な印象を与え、特に若い女性から支持を集めています。
オフブルーメタリックは単色でも人気がありますが、ホワイトルーフとの2トーンはさらに爽やかな印象を与え、海や空を連想させる開放感があります。
5位:インディゴブルーメタリック/2トーン
5位はインディゴブルーメタリック/2トーンです。英国風のブリティッシュカラーを思わせる、お洒落で深みのある青が高い評価を受けています。都会的でスタイリッシュな印象を与え、男性ユーザーにも人気があります。
ホワイトルーフとの2トーンだと爽やかな印象になり、大人可愛いと評判です。オフブルーよりも落ち着いた色合いのため、長く乗り続けても飽きがこないカラーと言えるでしょう。
新色「トープグレージュメタリック」
2024年のマイナーチェンジで追加された新色「トープグレージュメタリック」も注目されています。落ち着いた茶色がかったグレージュカラーで、大人可愛い印象が特徴です。特に2025年5月に発売された特別仕様車「クリームコーデ」では、このトープグレージュメタリックとソフトベージュルーフの組み合わせが用意されており、統一感のあるデザインに仕上がっています。
カラー選びのポイント
ワゴンRスマイルのカラーを選ぶ際には、以下のポイントを考慮するとよいでしょう。
1. 汚れの目立ちにくさ
日常使いの車であれば、汚れの目立ちにくさも重要なポイントです。一般的に、ホワイトやシルバーなどの明るい色は汚れが目立ちやすく、ブラックやダークブルーなどの暗い色は汚れが目立ちにくいとされています。ただし、ブラックは小さな傷や水垢が目立ちやすいため、洗車頻度が高くなる可能性があります。
2. 経年変化の見え方
長く乗り続けることを考えると、経年変化の見え方も重要です。明るい色は色褪せが目立ちやすく、暗い色は日焼けによる変色が目立ちやすい傾向があります。特に赤やオレンジなどの鮮やかな色は、経年による色褪せが比較的目立ちやすいため、定期的なワックスがけなどのケアが重要になります。
3. リセールバリュー
将来の売却を考えると、リセールバリュー(中古車としての価値)も考慮したいポイントです。一般的に、ホワイトやブラックなどの無難な色は需要が多く、リセールバリューが高い傾向にあります。一方、個性的なカラーは好みが分かれるため、売却時の選択肢が限られる可能性があります。
4. グレードとの組み合わせ
ワゴンRスマイルでは、グレードによって選べるカラーやインテリアカラーが異なる場合があります。特にインパネカラーパネルは、ボディカラーによって「アイボリー」「アイボリーパール(光沢タイプ)」「ネイビーパール(光沢タイプ)」の3種類から自動的に選択されます。好みの内装色がある場合は、それに合わせたボディカラーを選ぶとよいでしょう。
このように、ワゴンRスマイルには様々なカラーバリエーションが用意されており、自分の好みやライフスタイルに合った色を選ぶことができます。人気色ランキングを参考にしつつ、実際に展示車を見て、自分にぴったりの一台を見つけてください。
ワゴンRスマイルが「気持ち悪い」と言われる理由
ワゴンRスマイルは、その個性的なデザインから「気持ち悪い」と感じる人がいるのも事実です。しかし、これはデザインの良し悪しというよりも、個人の好みや価値観によるところが大きいと言えます。ここでは、一部の人がワゴンRスマイルを「気持ち悪い」と感じる理由と、それに対する反論について考察します。
丸目ヘッドライトの印象
ワゴンRスマイルの最大の特徴は、大きな丸目のヘッドライトです。直径約30センチメートルの大きな丸いヘッドライトは、従来の軽自動車にはない独特の表情を生み出しています。
この丸目ヘッドライトを「かわいい」と感じる人がいる一方で、「目が大きすぎる」「不気味」と感じる人もいます。特に従来の角ばったデザインの軽自動車に慣れている人にとっては、この丸目デザインが違和感を与えることがあるようです。
ただし、このデザインは意図的に「親しみやすさ」や「愛着」を感じさせるために採用されたものです。人間は生物学的に大きな目を持つものに親近感を抱く傾向があります。ワゴンRスマイルのデザイナーは、この心理効果を利用して、見る人に「愛らしさ」を感じさせるデザインを目指したと考えられます。
ボディ全体の丸みを帯びたデザイン
ワゴンRスマイルは、ボディ全体が丸みを帯びたデザインになっています。特にフロントマスクは丸みを強調したデザインで、四角い基本フォルムの中に丸い要素を組み合わせることで、独特の表情を生み出しています。
この丸みを帯びたデザインは、女性や若年層からは「可愛い」と評価される一方で、特に男性ユーザーからは「女性的すぎる」「カッコよさに欠ける」といった評価を受けることがあります。
しかし、このデザインはターゲット層を意識した戦略的な選択でもあります。ワゴンRスマイルは、若い女性や子育てを卒業した世代をターゲットにしており、彼らの嗜好に合わせたデザインになっています。すべての人に好まれるデザインを目指すのではなく、特定の層に強く支持されるデザインを選んだと言えるでしょう。
デザインの主観性
デザインの評価は非常に主観的なものです。同じデザインでも、人によって受け取り方は大きく異なります。「気持ち悪い」という評価は、その人の美的感覚や価値観に基づいた主観的な意見に過ぎません。
例えば、ヨーロッパでは丸目のヘッドライトを持つFIAT 500やMINIなどが高い人気を誇っています。これらの車は「レトロかわいい」「クラシカルでお洒落」と評価されることが多く、「気持ち悪い」という評価はあまり聞かれません。これは文化的背景や車に対する価値観の違いも影響していると考えられます。
デザインにかかわらない評価ポイント
実際のところ、車選びにおいて「デザイン」は重要な要素の一つではありますが、全てではありません。ワゴンRスマイルの場合、以下のような優れた特徴があります。
- 両側スライドドアによる優れた利便性
- 広々とした室内空間
- 優れた燃費性能
- 充実した安全装備
これらの実用的な特徴は、デザインの好みに関わらず多くのユーザーに評価されています。「気持ち悪い」と感じる人でも、実際に乗ってみると機能性の高さに満足する可能性は十分にあります。
デザインの多様性を受け入れる
自動車メーカーがさまざまなデザインの車を提供することは、消費者にとって選択肢が増えるという点でメリットがあります。「気持ち悪い」と感じるデザインであっても、それを好む人がいる限り、多様なデザインが市場に存在することには価値があると言えるでしょう。
スズキのラインナップを見ても、シャープでスタイリッシュなデザインの「ワゴンR」、SUVテイストの「ハスラー」、キュートなデザインの「ワゴンRスマイル」など、様々なデザインの車種が用意されています。これにより、それぞれの好みに合った車を選ぶことができるのです。
ワゴンRスマイルの「気持ち悪い」と言われる独特のデザインは、一部の人にとっては魅力的な個性として受け入れられています。デザインの好みは人それぞれですが、実際に試乗して機能性や乗り心地を体験してみることで、新たな魅力を発見できるかもしれません。最終的には、自分の好みやライフスタイルに合った車を選ぶことが最も重要です。
ワゴンRスマイルは売れてない?
「ワゴンRスマイルは売れていないのでは?」という声を耳にすることがありますが、実際のところはどうなのでしょうか。ここでは、ワゴンRスマイルの販売状況や市場での評判について、データを基に検証していきます。
販売実績データ
結論から言うと、ワゴンRスマイルは決して「売れていない」わけではありません。スズキの発表によれば、発売当初の販売目標台数である月間5,000台を受注の時点で上回るなど、好調な滑り出しを見せています。
全国軽自動車協会連合会が公表した2023年度のワゴンRシリーズ全体の販売台数は73,388台で、軽自動車販売台数ランキングで第6位に入っています。ワゴンRシリーズにはワゴンR本体とワゴンRスマイルが含まれますが、この数字はワゴンRスマイルも一定の販売台数を確保していることを示唆しています。
ただし、スズキの他の人気モデルであるスペーシアやハスラー、あるいはダイハツのタントやホンダのN-BOXといった競合車種と比較すると、販売台数は少ない傾向にあります。これが「売れていない」という印象につながっている可能性があります。
「売れない」と感じられる理由
では、なぜワゴンRスマイルが「売れていない」と感じる人がいるのでしょうか。いくつかの要因が考えられます。
1. 独特なデザイン
前述の通り、ワゴンRスマイルは丸目のヘッドライトが特徴的な独特なデザインです。このデザインは万人受けするものではなく、特定の層にしか支持されない可能性があります。特に男性や年配層には受け入れられにくい印象があり、これが販売台数に影響している可能性があります。
2. コロナ禍の影響と半導体不足
ワゴンRスマイルが発売された2021年は、新型コロナウイルスの影響で自動車業界全体が厳しい状況にありました。さらに、世界的な半導体不足により、生産が制限される事態も起きていました。これにより、需要はあっても供給が追いつかず、納車までの期間が長期化する事態が発生していました。
3. 競合車種の存在
軽自動車市場は非常に競争が激しく、特にスライドドア付きの軽ハイトワゴンというカテゴリーではダイハツのムーヴキャンバスが先行していました。さらに、スズキ自身もスペーシアという人気モデルを持っており、これらとの競合も販売台数に影響している可能性があります。
4. 街中での見かけにくさ
「走っているのを滅多に見ない」という声もありますが、これには地域差も関係しています。都市部では比較的多く見かけますが、地方ではまだ浸透していない可能性があります。また、ワゴンRスマイルはカラーバリエーションが豊富なため、同じモデルでも異なる色を見ると別の車種と認識されることもあるかもしれません。
実際のユーザー評価
販売台数とは別に、実際に購入したユーザーからの評価はどうでしょうか。口コミサイトやレビューを見ると、以下のような評価が多く見られます。
良い評価
- スライドドアの使い勝手の良さ
- 広い室内空間と使いやすい収納
- 優れた燃費性能
- 取り回しのしやすさ
改善点の指摘
- 加速性能の物足りなさ
- 高速走行時の安定感の不足
- 坂道での力不足
- エンジン音や風切り音など、静粛性の面での課題
総じて、使い勝手や日常の利便性については高い評価を得ていますが、走行性能や快適性については改善の余地があるという声も聞かれます。
実際の販売状況
中古車市場でのワゴンRスマイルの流通量を見ると、発売から約2年で500台以上が流通しているというデータもあります。これは決して少ない数字ではなく、一定の販売台数があることを示しています。
また、新車の納期も当初は長かったものの、現在は徐々に短縮されてきており、需要と供給のバランスが取れてきていると考えられます。
結論:「売れない」は誤解
以上のデータや状況を総合すると、「ワゴンRスマイルが売れない」というのは誤解であると言えます。確かに、N-BOXやタントといった超人気モデルと比較すると販売台数は少ないものの、発売からさほど時間が経っていないモデルとしては健闘していると評価できるでしょう。
スズキという会社は、多様な軽自動車ラインナップを持っていることも特徴で、ユーザーの好みに合わせて選択肢を提供する戦略を取っています。ワゴンRスマイルもその中の一つとして、特定のニーズに応える役割を果たしていると言えるでしょう。
「売れているか売れていないか」という二元論ではなく、ターゲットとするユーザー層にどれだけ支持されているかという観点で見れば、ワゴンRスマイルは十分に成功していると評価できます。
ワゴンRスマイルの欠点と対策
どんな車にも長所と短所があり、ワゴンRスマイルも例外ではありません。ここでは、ユーザーレビューや専門家の評価から浮かび上がるワゴンRスマイルの欠点と、それに対する対策について解説します。これから購入を検討している方は、あらかじめ知っておくことで後悔のない選択ができるでしょう。
走行性能に関する欠点
1. 加速性能の物足りなさ
ワゴンRスマイルは660cc自然吸気エンジンで、最高出力は49馬力です。このパワーは平地や市街地では十分ですが、高速道路での合流や追い越し、また急な坂道では力不足を感じることがあります。特に乗車人数が多い場合や荷物を積んでいる場合は、その傾向が強くなります。
対策
- 急な加速が必要な場面では、早めにアクセルを踏み込む
- 高速道路での合流では十分な助走距離を確保する
- 坂道では早めに低速ギアにシフトダウンする(CVTのマニュアルモードを活用)
- 軽量化のために不要な荷物は積まない
2. 高速走行時の安定感の不足
ワゴンRスマイルは車高が比較的高いため、高速走行時や強風時に車体が揺れやすい傾向があります。これは軽自動車全般に見られる特性ですが、ワゴンRスマイルも例外ではありません。
対策
- 高速走行時は安定した速度を維持し、急なハンドル操作を避ける
- 強風時は速度を控えめにする
- タイヤの空気圧を適正に保つ(少し高めに設定すると安定性が増す場合も)
- オプションのサイドアンダースポイラーなどを装着すると、風の影響を受けにくくなる場合がある
3. 旋回時のロール(横揺れ)
車高が高いことによる影響で、カーブを曲がる際に車体が外側に傾く(ロールする)傾向があります。これにより、乗員は不安を感じたり、乗り心地が悪くなったりすることがあります。
対策
- カーブの手前で十分に減速し、緩やかに曲がる
- 急ハンドルや急なレーン変更を避ける
- 専用のスタビライザーやタワーバーの装着を検討する(ただし、保証や車検に影響する場合があるため、カスタムは慎重に)
快適性に関する欠点
1. 室内の騒音
ワゴンRスマイルは、エンジン音や風切り音、ロードノイズなどが室内に入りやすいという声があります。特に高速走行時や荒れた路面での走行時に顕著になります。
対策
- 防音マットや遮音シートを床下や内装の裏側に貼る(DIYでも可能)
- タイヤを静粛性の高いモデルに交換する
- ドアやウィンドウまわりのシール材を点検し、必要に応じて交換する
- 高速走行時はやや低めの速度を維持する
2. サスペンションの硬さ
一部のユーザーからは、サスペンションが硬く、段差や凹凸を通過した際の衝撃が大きいという声が聞かれます。特に後席乗員は揺れを感じやすい傾向があります。
対策
- タイヤの空気圧を少し低めに設定する(ただし、メーカー推奨値の範囲内で)
- クッション性の高いシートカバーを使用する
- 後席用のクッションを追加する
- 荒れた路面では速度を控えめにする
3. シートの座り心地
長時間乗車すると腰や背中が痛くなるというレビューも見られます。シートのクッション性や形状が体型によっては合わないことがあります。
対策
- 腰痛対策用のクッションやランバーサポートを利用する
- 体にフィットするシートカバーに交換する
- 長距離運転の際は定期的に休憩を取り、ストレッチを行う
装備や機能に関する欠点
1. 収納スペースの使いにくさ
収納スペースは多いものの、一部使いにくい配置になっているという指摘があります。特にドリンクホルダーの位置やサイズが使いづらいという声や、グローブボックスが小さいという意見があります。
対策
- 市販の収納ボックスやポケットオーガナイザーを活用する
- ドリンクホルダーの拡張アダプターを取り付ける
- 座席間のスペースを有効活用できるコンソールボックスを検討する
2. USB端子の数と配置
USB端子の数が少ない、または配置が使いにくいという声があります。特に後部座席の乗員がスマートフォンなどを充電したい場合に不便を感じることがあります。
対策
- シガーソケットタイプのUSB充電器を追加する
- 複数のデバイスを同時に充電できるUSBハブを活用する
- 2024年マイナーチェンジ後のモデルではType-C端子も追加されたので、可能であれば新しいモデルを検討する
3. ナビゲーションシステムの使いづらさ
メーカーオプションのナビゲーションシステムの操作性や応答速度に不満を持つユーザーもいます。また、最新のスマートフォン連携機能が限定的という指摘もあります。
対策
- スマートフォン用のカーマウントを活用し、スマートフォンのナビアプリを使用する
- 最新機能を搭載した社外品のナビゲーションシステムへの交換を検討する
- Bluetooth接続でスマートフォンの音声を車内スピーカーから流す設定を活用する
デザインに関する欠点
1. ボディカラーによる印象の差
ボディカラーによって車の印象が大きく変わり、一部のカラーは好みが分かれる傾向があります。特に鮮やかな色やツートンカラーは、時間が経つと飽きてしまう可能性もあります。
対策
- 無難なホワイトやブラック、シルバーなどのベーシックカラーを選ぶ
- 実車を様々な角度から見て、光の当たり方による色の変化を確認する
- ラッピングフィルムを検討する(後から色を変更したい場合)
2. インテリアの素材感
内装の一部にハードプラスチックが使われており、安っぽく感じるという声もあります。特に上級グレードでも質感が向上しない部分があるという指摘があります。
対策
- シートカバーやステアリングカバーなどでアップグレードする
- 内装パネルをカーボン調やウッド調のものに張り替える
- ダッシュボードマットを使用して印象を変える
維持費に関する欠点
1. オイル交換の頻度
マイルドハイブリッドシステムを搭載したモデルは、エンジンの回転数が下がったり上がったりする頻度が高いため、エンジンオイルの劣化が早まる可能性があります。
対策
- メーカー推奨の交換インターバルよりも少し早めにオイル交換を行う
- 高品質なエンジンオイルを使用する
- エンジンオイルの量と状態を定期的にチェックする
2. タイヤの摩耗
軽量な車体に対して比較的大きなタイヤを装着しているため、タイヤの摩耗が早いという報告もあります。特に駆動輪側(FF車なら前輪)の摩耗が目立つ傾向があります。
対策
- 定期的なタイヤローテーションを行う(5,000km〜10,000kmごと)
- 適正空気圧を維持する
- 急発進や急ブレーキを避け、穏やかな運転を心がける
- 摩耗に強い高品質なタイヤを選ぶ
3. バッテリーの寿命
マイルドハイブリッドシステムや頻繁なアイドリングストップにより、バッテリーに負担がかかりやすいという特性があります。
対策
- バッテリー状態を定期的にチェックし、弱っている兆候があれば早めに交換する
- 短距離走行が多い場合は、時々長距離走行を行い、バッテリーを十分に充電する
- 停車時の電装品使用を控えめにする
総合的な欠点対策
どんな車種にも一長一短があり、ワゴンRスマイルも例外ではありません。欠点を完全になくすことは難しいですが、以下のような総合的な対策を取ることで、より快適なカーライフを送ることができるでしょう。
- 試乗の際は様々な道路環境(市街地、高速道路、坂道など)で走行し、自分にとって許容できる範囲かどうかを判断する
- 自分のライフスタイルに合ったグレードやオプションを選ぶ
- 定期的なメンテナンスを欠かさず、早めの対処を心がける
- 走行シーンに合わせた運転技術を身につける
- カスタマイズやアフターパーツの活用を検討する
これらの対策を参考にしながら、ワゴンRスマイルの良い点を最大限に活かし、欠点を最小限に抑えたカーライフを楽しんでください。個性的なデザインと実用性を兼ね備えたワゴンRスマイルは、適切な使い方と心構えがあれば、日常の足として十分に満足できる一台になるでしょう。