新型シエンタを見て、「もしかして、ちょっとダサい…?」と感じて、このページにたどり着いたのではないでしょうか。
四角くて丸い、親しみやすいけれど独特なそのデザインは、確かに好みが分かれるかもしれません。ネット上では「売れないのでは?」という声すら見かけますが、実際の売れ行きは驚くほど好調で、常に販売ランキングの上位を維持しています。
この記事では、なぜ一部で「ダサい」と言われてしまうのかを徹底的に分析します。それと同時に、逆に「かっこいい」と評価する声や、特に気になる男性からの正直な意見も集めました。
さらに、後悔しないための人気色・不人気色の選び方から、便利な5人乗りモデルに潜む意外な欠点まで、購入を検討する上で知っておくべき全ての情報を網羅しています。
デザインの評価だけでなく、シエンタが本当に「買い」なのかどうか、この記事を読めばきっとあなた自身の答えが見つかるはずです。
新型シエンタがダサいと言われる理由を徹底解説

「新型シエンタ、なんだかダサいかも…?」そう感じて検索したあなたへ。その直感の正体を、デザインのプロでなくとも納得できる3つの視点から徹底解説します。なぜ「犬顔」と例えられるのか、サイドの黒いパーツは何なのか。その全ての答えがここにあります。
なぜ?新型シエンタのデザインが「ダサい」と言われる理由
新型シエンタについて調べると、「ダサい」という評価が一部で見られます。しかし、なぜそのように感じられてしまうのでしょうか。この点は、車のデザインに対する個人の価値観が大きく影響していると言えます。
結論から言うと、新型シエンタが「ダサい」と評されるのは、そのデザインが「親しみやすさ」と「道具感」を徹底的に追求した結果、一部のユーザーが求める「シャープさ」や「高級感」とは異なる方向を向いているためです。
ここでは、そのように言われる具体的な理由を3つのポイントに分けて解説します。
1. 「犬」や「カピバラ」を思わせる丸みを帯びたフロントデザイン
新型シエンタの最も特徴的な部分が、そのフロントマスクです。大きなヘッドライトと全体的に丸みを帯びたフォルムは、SNSなどで「犬のよう」「カピバラに似ている」と例えられることがあります。
このデザインは、開発陣が意図した「シカクマル」というコンセプト、つまり四角と丸を融合させた親しみやすい形状を体現したものです。特にファミリー層をターゲットにしているため、威圧感がなく、誰からも愛されるような優しい表情を目指しています。
一方で、車にスピード感やスタイリッシュさを求める層から見ると、この優しすぎるデザインが「物足りない」「ぼんやりしている」と感じられ、「ダサい」という評価につながっていると考えられます。
2. サイドに配置された大きな樹脂製プロテクター
次に挙げられるのが、サイド下部に大胆に配置された大きな樹脂製のサイドプロテクターです。これは、狭い場所でのドアの開閉時や、障害物との接触時にボディを傷から守るという、非常に実用的な目的を持っています。まさに「使える道具」としての思想が色濃く反映された部分です。
しかし、デザイン的な観点から見ると、このプロテクターがボディの流麗なラインを分断しているように見えることがあります。また、樹脂の質感が「安っぽく見える」「商用車のようだ」と感じる人も少なくありません。特にボディカラーによっては、この黒い樹脂部分が過度に目立ってしまい、全体の統一感を損なっているという意見もあります。
3. 全体的なシルエットの「野暮ったさ」
新型シエンタは、コンパクトな5ナンバーサイズでありながら、最大限の室内空間を確保することに重点を置いて設計されています。その結果、背が高く、少しずんぐりとした独特のシルエットが生まれました。
この実用性を最優先したパッケージングは、室内空間の広さや乗り降りのしやすさといった大きなメリットを生み出しています。ただ、一般的なミニバンやSUVが持つような、低く構えたスポーティーな印象や、伸びやかなシルエットとは異なります。このため、機能性は理解できても、見た目の「スマートさ」に欠けると感じ、「野暮ったい」や「ダサい」という評価に結びついているようです。
このように、新型シエンタのデザインは、明確なコンセプトに基づいて作られていますが、そのコンセプトが一部のユーザーの好みと合わない場合に、「ダサい」という評価が生まれているのが実情と言えるでしょう。
「売れない」は嘘?実際の販売台数を調査
「デザインがダサいなら、売れていないのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、その認識は事実とは大きく異なります。
結論を先に述べると、新型シエンタは「売れない」どころか、日本の自動車市場で常にトップクラスの販売台数を誇る大人気車種です。
その人気を客観的なデータで見ていきましょう。ここでは、自動車販売の公式な統計を発表している一般社団法人 日本自動車販売協会連合会(自販連)のデータを参考にします。
登録車販売台数ランキングに見るシエンタの実力
自販連が毎月発表している「乗用車ブランド通称名別順位」を見ると、シエンタの立ち位置が明確にわかります。
2023年度(2023年4月~2024年3月)の販売台数
順位 | 車種名 | メーカー | 販売台数 |
1位 | ヤリス | トヨタ | 183,733台 |
2位 | カローラ | トヨタ | 146,695台 |
3位 | シエンタ | トヨタ | 121,570台 |
4位 | ルーミー | トヨタ | 102,157台 |
5位 | ノア | トヨタ | 93,674台 |
※上記データは、各通称名(ヤリス、カローラなど)のシリーズ全体の合計値です。
この表が示す通り、2023年度においてシエンタは、コンパクトカーの王者ヤリス、世界のベストセラーであるカローラに次ぐ第3位という驚異的な販売実績を記録しています。これは、ライバル車であるホンダ・フリード(同期間で73,723台、8位)を大きく引き離す結果です。
なぜこれほど売れているのか?
データは、シエンタが市場で圧倒的な支持を得ていることを示しています。デザインに対する一部の否定的な意見をものともせず、これだけの台数が売れているのには明確な理由があります。
- 絶妙なサイズ感:全長約4.3mという5ナンバーサイズは、日本の狭い道路や駐車場で非常に扱いやすいです。
- 広大な室内空間:コンパクトながら3列目までしっかり使える(7人乗り)室内設計は、ファミリー層から絶大な支持を得ています。
- 優れた燃費性能:ハイブリッドモデルはWLTCモードで28.8km/L(2WD・5人乗りXグレード)という、ミニバントップクラスの低燃費を実現しています。
- 手頃な価格設定:高機能でありながら、ガソリンモデルは200万円以下からスタートするというコストパフォーマンスの高さも魅力です。
つまり、多くのユーザーは、デザインの好み以上に、シエンタが提供する「実用性」という価値を高く評価しているのです。一部で「売れない」という噂があったとしても、それは販売実績を知らない人の誤解に過ぎないことが、これらのデータから明らかです。
男性からの評価は?正直な意見を集めてみた
ファミリーカーとして人気のシエンタですが、主な運転手となることの多い男性からの評価はどうなのでしょうか。デザインが「かわいい」と評されることもあるため、男性には敬遠されがちなのでは、と考える人もいるかもしれません。
実際のところ、男性からの評価は「何を重視するか」によって、肯定的な意見と否定的な意見にはっきりと分かれる傾向があります。
ここでは、ウェブサイトのレビューやSNSで見られる男性からの正直な意見を、ポジティブな側面とネガティブな側面に分けて集めてみました。
男性からのネガティブな意見
まずは、デザインや走行性能に対して否定的な意見を見てみましょう。
- デザインについて
- 「全体的に丸っこくて、おもちゃみたいに見える。もう少しシャープさが欲しい」
- 「サイドの黒い樹脂パーツがどうしても安っぽく感じる。商用車みたいだ」
- 「もう少し『お父さんが乗ってカッコいい』と思えるような力強さが欲しかった」
- 走行性能について
- 「高速道路での追い越しなど、もう少しパワーが欲しいと感じる場面がある」
- 「背が高いので、カーブでのロール(車体の傾き)が少し気になる」
これらの意見は、主に車の「見た目のカッコよさ」や「運転の楽しさ」を重視する男性から出てくることが多いようです。特に、独身時代にスポーティーな車に乗っていた方にとっては、シエンタのデザインや性能が物足りなく感じられるのかもしれません。
男性からのポジティブな意見
一方で、シエンタを高く評価する男性の声も非常に多くあります。
- 実用性・機能性について
- 「このサイズでスライドドアが付いていて、子どもを乗せたり降ろしたりするのが本当に楽。もうヒンジドアには戻れない」
- 「運転席からの視界が広くて、街中での運転がしやすい。妻も安心して運転できると言っている」
- 「2列目も3列目も意外と広い。家族や両親を乗せて出かけるのに最適」
- 経済性について
- 「とにかく燃費がいい。週末に遠出してもガソリン代が気にならないのは大きなメリット」
- 「車両価格も維持費も手頃で、家計に優しい。家族のための合理的な選択だと思う」
- デザインについて(肯定的意見)
- 「見慣れてくると、道具感があって逆に愛着が湧く。変に気取ってなくて良い」
- 「アウトドアギアのような雰囲気があって、キャンプなどに乗っていくと馴染む」
ポジティブな意見の多くは、シエンタを「家族のための道具」として捉え、その実用性や経済性を高く評価しています。父親という立場から、運転のしやすさや家族の快適性を最優先に考える男性にとって、シエンタは非常に満足度の高い選択肢となっていることがうかがえます。
結論として、男性からの評価は二極化していますが、それはシエンタが特定の価値観に特化して作られていることの裏返しです。見た目のスポーティーさよりも、家族との時間を豊かにするための「最高の道具」を求める男性から、絶大な支持を集めていると言えるでしょう。
「かっこいい」という声も多数!デザインの評価点
「ダサい」という意見がある一方で、新型シエンタのデザインを「かっこいい」「おしゃれだ」と評価する声も決して少なくありません。見方を変えれば、その独特のデザインには多くの魅力が詰まっています。
ここでは、新型シエンタが「かっこいい」と評価されるデザインのポイントを3つご紹介します。
1. 機能美を追求した「ツール感」あふれるデザイン
新型シエンタのデザインは、単に丸くて可愛いだけではありません。そこには「機能美」という、別の視点からのカッコよさが存在します。
例えば、前述したサイドの樹脂プロテクターは、傷を気にせずアクティブに使える「道具感」を演出しています。これは、最近流行しているアウトドアギアや、プロが使うタフな工具などに見られる「用の美」と通じるものがあります。余計な装飾を排し、機能に徹した姿が、逆に潔く、頼もしい印象を与えているのです。
この「ツール感」は、車をライフスタイルの一部として捉え、キャンプやDIYなどの趣味に活用したいと考える層から、特に高く評価されています。
2. 個性を引き立てる絶妙なボディカラー
車の印象はボディカラーによって大きく変わりますが、シエンタはこの点でも非常に巧みです。標準的な白や黒だけでなく、所有する楽しさを感じさせる個性的なカラーがラインナップされています。
- アーバンカーキ:ミリタリーテイストを感じさせるアースカラーで、アウトドアシーンによく映えます。シエンタのツール感を最も引き立てる人気色の一つです。
- ベージュ:柔らかく、おしゃれなカフェのような雰囲気を持つカラー。女性からはもちろん、ファッション感度の高い男性からも支持されています。
- 2トーンカラー:ルーフ部分をブラックやダークグレーにした2トーン仕様は、車全体の印象をグッと引き締め、スタイリッシュに見せてくれます。特に、アーバンカーキやベージュとブラックの組み合わせは、まるでカスタムカーのような独特の存在感を放ちます。
これらのカラーを選ぶことで、「ダサい」どころか「センスがいい」という印象を与えることが可能です。
3. 細部まで作り込まれた質感の高いインテリア
外装デザインの評価は分かれるかもしれませんが、内装に目を向けると、多くの人がその質感の高さと機能的な美しさに納得するはずです。
運転席に座ると、まず水平基調でスッキリとしたインパネ(インストルメントパネル)が目に入ります。視界を妨げず、開放感のあるデザインです。また、シートのファブリック(布地)には、北欧家具を思わせるようなおしゃれな柄が採用されており、温かみのある空間を演出しています。
さらに、ドアのアームレストやインパネの随所に散りばめられた収納スペースは、デザイン性と実用性を見事に両立させています。スマートフォンや小物を置く場所が絶妙な位置に設計されており、日常の使い勝手が徹底的に考え抜かれていることがわかります。
このように、シエンタの「かっこよさ」は、派手さや鋭さではなく、機能に裏打ちされたデザインや、所有者の個性を表現できるカラーリング、そして毎日触れる空間の心地よさといった、より本質的な部分に宿っていると言えるでしょう。
旧型と比較してわかったデザインの進化と変化
新型シエンタ(3代目・30系)のデザインをより深く理解するためには、旧型(2代目・170系)と比較するのが有効です。旧型から新型への変化を見ると、トヨタがどのような意図を持ってデザインを進化させたのかがよくわかります。
結論として、新型シエンタは旧型が持っていた「奇抜さ」や「スポーティーさ」をあえて抑え、より多くの人に受け入れられる「親しみやすさ」と「道具としての分かりやすさ」を追求したデザインへと舵を切りました。
ここでは、新旧モデルの具体的なデザイン要素を比較しながら、その進化と変化を解説します。
新旧シエンタのデザイン比較表
デザイン要素 | 2代目(170系 / 2015年~) | 3代目(現行・30系 / 2022年~) |
フロント | ヘッドライトから下に伸びる「涙」のような黒いラインが特徴。複雑でアグレッシブな造形。 | 大きな四角いヘッドライトとシンプルなバンパー。親しみやすく、安心感のある表情。 |
サイド | 後方に向かって駆け上がるようなキャラクターライン。スポーティーで躍動感のある印象。 | 水平基調で安定感のあるライン。大きな樹脂製プロテクターが「道具感」を強調。 |
リア | 縦に長く、複雑な形状のコンビネーションランプ。個性的な後ろ姿。 | 横長で落ち着いたデザインのランプ。ワイドで安定した印象を与える。 |
コンセプト | 「Active & Fun」(アクティブ&ファン)。楽しさや非日常感を強調。 | 「家族の相棒」。日常に寄り添い、使いやすい道具であることを重視。 |
デザイン思想の大きな転換
この比較表から、デザインの方向性が大きく変わったことが読み取れます。
旧型である2代目は、その名の通り「アクティブ&ファン」を体現した、挑戦的なデザインでした。特にフロントの涙のようなラインは一度見たら忘れられないほどのインパクトがあり、その個性で多くのファンを獲得した一方、「デザインが奇抜すぎる」として敬遠する層も生み出しました。良くも悪くも、好き嫌いがはっきりと分かれるデザインだったと言えます。
それに対して新型の3代目は、その反省点を踏まえたかのように、徹底して「シンプル」さと「分かりやすさ」を追求しています。奇抜なラインは姿を消し、誰が見ても安心感を覚えるような、丸みを帯びた誠実なデザインへと変化しました。
これは、シエンタという車が担うべき役割を、トヨタが再定義した結果です。一部のデザイン好きに強く刺さることよりも、小さな子供がいるファミリー層をはじめとする、より幅広いユーザーに「私たちのための車だ」と感じてもらうことを優先したのです。
このデザイン思想の転換は、見事に成功しました。前述の通り、新型シエンタは記録的な販売台数を達成しており、そのデザインが市場の最大公約数のニーズを的確に捉えたことの証明となっています。旧型の個性を惜しむ声もありますが、より多くの家族の「相棒」となるための、合理的な進化だったと言えるでしょう。
ダサい?でも売れてる新型シエンタの魅力を解剖

「ダサい」という声があるのに、なぜシエンタは販売ランキングでトップを走り続けるのでしょうか?その秘密は、デザインの好みを乗り越えさせるほどの圧倒的な魅力にあります。データが示す本当の人気から、購入者が語る「欠点さえも愛おしい」理由まで。ここからは、シエンタが本当に愛される理由を深く解き明かしていきます。
好調な売れ行き!データで見るシエンタの人気
前述の通り、新型シエンタは一部でデザインに対する厳しい意見があるものの、実際の販売台数はその評価を覆すほど好調です。この人気は一過性のものではなく、日本の自動車市場における確固たる地位を築いている証と言えます。
シエンタの売れ行きが好調なのは、現代の日本のファミリー層が車に求めるニーズを的確に捉え、具現化しているからです。ここでは、その圧倒的な人気の理由を、具体的な強みから探っていきます。
1. 競合が少ない「絶妙なパッケージング」
シエンタの最大の強みは、その「ちょうどいい」サイズ感と機能性を両立させたパッケージングにあります。
- 5ナンバーサイズ:全長約4.3m、全幅約1.7m未満という5ナンバー規格に収まるボディは、日本の狭い道や駐車場での取り回しが抜群に良いです。
- 両側スライドドア:このサイズの車体で電動スライドドアを備えている点は、特に小さな子どもを持つ家族にとって絶大なメリットです。隣の車を気にせず、安全に乗り降りができます。
- 広大な室内:コンパクトながら、頭上空間にも余裕があり、圧迫感のない室内を実現しています。
同じくコンパクトスライドドア車としてホンダ・フリードが存在しますが、シエンタは特にハイブリッドモデルの燃費性能で優位に立っています。また、ノアやセレナといったMクラスミニバンでは「大きすぎる」と感じる層にとって、シエンタはまさに理想的な選択肢なのです。
2. 家計を助ける圧倒的な経済性
車を所有する上で、燃費や車両価格は非常に重要な要素です。シエンタはこの点でも多くのユーザーから支持されています。
ハイブリッドモデルの燃費は、WLTCモードで28.8km/L(2WD・5人乗りXグレード)に達します。これはミニバンカテゴリでトップクラスの数値であり、ガソリン価格が高騰する現代において、日々の維持費を大きく抑えることにつながります。
また、車両本体価格もガソリンモデルであれば200万円弱から、人気のハイブリッドモデルでも250万円前後から検討できるという、優れたコストパフォーマンスを誇ります。
3. トヨタブランドへの揺るぎない信頼感
最後に、トヨタというブランドが持つ信頼感も、販売台数を支える大きな要因です。
- 品質と耐久性:長年培われてきた「壊れにくい」というイメージ。
- 高いリセールバリュー:将来車を乗り換える際に、高く売却できる期待感。
- 全国を網羅する販売・サービス網:どこに住んでいても安心してメンテナンスを受けられる体制。
これらの要素が組み合わさり、「シエンタを選んでおけば間違いない」という安心感が、多くの購入者の最終的な決め手となっています。デザインの好みを超えて、これだけの実用性と信頼性があれば、売れるのは必然と言えるでしょう。
これが人気色!選ばれているカラーランキング

車の印象を大きく左右するボディカラー。新型シエンタは個性的なカラーも多いですが、実際に選ばれているのはどの色なのでしょうか。
ここでは、実際の販売データや市場の動向を基にした人気色ランキングをご紹介します。色選びはリセールバリュー(再販価値)にも影響するため、ぜひ参考にしてください。
第1位:プラチナホワイトパールマイカ
やはり不動の人気を誇るのが「プラチナホワイトパールマイカ」です。清潔感と高級感を両立したこの色は、車種を問わず常に高い人気があります。
- メリット:誰からも好まれる、飽きのこない定番色。リセールバリューが最も期待できる。夏場の車内温度が上がりにくい。
- デメリット:有償色(オプション料金がかかる)である点。
迷ったらこの色を選んでおけば、まず後悔することはないでしょう。シエンタのクリーンなイメージにもよく合います。
第2位:アーバンカーキ
新型シエンタのイメージカラーとも言えるのが、この「アーバンカーキ」です。発売以来、常に高い人気を維持しています。
- メリット:アウトドアギアのような「ツール感」があり、非常におしゃれ。汚れが目立ちにくい。シエンタの個性を最大限に引き出せる。
- デメリット:個性的な色なので、好みが分かれる可能性もゼロではない。
「普通のミニバンとは違う、個性的な一台が欲しい」という方にぴったりのカラーです。この色を選ぶだけで、シエンタのデザインが「かっこいい」という印象に変わるかもしれません。
第3位:ブラック
白と並んで定番の人気を誇るのが「ブラック」です。丸みを帯びたシエンタのデザインを、引き締めて見せる効果があります。
- メリット:重厚感があり、落ち着いた印象を与える。リセールバリューも安定して高い。
- デメリット:傷や汚れが目立ちやすい。夏場は車内が暑くなりやすい。
可愛らしい印象を避けたい方や、クールな雰囲気を好む方に選ばれています。
番外編:人気の2トーンカラー
単色だけでなく、ルーフの色を変えた2トーンカラーも人気です。特に「アーバンカーキ×ダークグレー」や「ベージュ×ブラックマイカ」といった組み合わせは、より個性的でデザイン性の高いスタイルを演出できます。価格は上がりますが、他の人と差をつけたい場合には有力な選択肢となります。
意外な不人気色と選ぶ際の注意点とは?
人気色がある一方で、残念ながらあまり選ばれていない「不人気色」も存在します。もちろん、色の好みは人それぞれであり、不人気色が悪い色というわけではありません。
しかし、特に将来的な売却を考えている場合、色選びが査定額に大きく影響することがあるため、注意が必要です。
ここでは、一般的に不人気色とされがちなカラーの傾向と、選ぶ際の注意点を解説します。
1. 原色系の鮮やかなカラー(スカーレットメタリックなど)
赤や青といった原色系のボディカラーは、非常に個性が強く、華やかな印象を与えます。街中でも目を引くため、自分の車をすぐに見つけられるというメリットもあります。
ただし、中古車市場では「派手すぎる」と敬遠される傾向が強く、白や黒といった定番色に比べて需要が限られます。その結果、リセールバリューは低くなることがほとんどです。
よほどその色に惚れ込んでいて、「長く乗り続けるからリセールは気にしない」という強い意志がない限りは、慎重に選んだ方が良いかもしれません。
2. 特定のイメージに結びつきやすいカラー
例えば、シエンタには「ダークグレー」もラインナップされていますが、グレードや装備によっては、商用車のような地味な印象を与えてしまうことがあります。同様に、過去のモデルに設定されていた黄色なども、特定の事業用車両を連想させるため、一般のユーザーからは選ばれにくい傾向がありました。
もちろん、上級グレードでエアロパーツなどを装着すれば印象は変わりますが、標準的な仕様でこれらの色を選ぶ際は、実車をよく確認することをおすすめします。
色選びで後悔しないための注意点
リセールバリューを意識する
もし数年後に車を売却する可能性があるなら、人気TOP3の「ホワイト」「ブラック」「アーバンカーキ」や、それに準じるシルバー系などを選ぶのが最も堅実です。査定額が数十万円単位で変わることも珍しくありません。
汚れや傷の目立ちやすさを考慮する
前述の通り、ブラックなどの濃色は、洗車傷や砂埃が非常に目立ちます。逆にホワイトは水垢が目立ちやすいです。手入れの手間を省きたいのであれば、汚れが最も目立ちにくいシルバーや、中間色であるアーバンカーキ、ベージュなどがおすすめです。
最終的にはご自身の好みが一番大切ですが、これらの客観的な事実も知った上で、納得のいく色選びをしてください。
便利な5人乗り、知っておきたい欠点はある?
新型シエンタには、3列シートの7人乗りと、2列シートの5人乗りが設定されています。価格が少し安く、広大な荷室を持つ5人乗りは非常に人気ですが、購入してから「しまった」とならないために、知っておくべき欠点もいくつか存在します。
ここでは、5人乗りモデルのメリットに隠れがちな、具体的な欠点について解説します。
1. 荷室のフロア(床面)が意外と高い
5人乗りの最大の魅力は、2列目シートを倒さなくても広大な荷室が使える点です。しかし、ここに一つ落とし穴があります。
- 7人乗りの場合:3列目シートを2列目シートの下に格納すると、非常に低い位置にフラットな荷室が出現します。
- 5人乗りの場合:3列目シートがない代わりに、床下に大きな収納スペース(ラゲージアンダーボックス)が設けられています。このため、荷室の床面そのものは7人乗りの格納時よりも高くなっています。
この床の高さは、重い荷物やスーツケース、ベビーカーなどを積み込む際に、想像以上に影響します。「ヨイショ」と持ち上げる高さが少し増えるため、頻繁に重い荷物を載せる方は、一度実車で確認することをおすすめします。
2. 最大乗車人数が5人に固定される
当然のことですが、5人乗りは乗車定員が5人です。普段は家族3~4人で乗ることが多くても、たまに祖父母を乗せたり、子どもの友達を乗せたりする場面を想像してみてください。
「あと一人乗れたら…」という状況が年に数回でも発生する可能性があるなら、7人乗りを選んだ方が後悔は少ないでしょう。3列目シートはあくまで緊急用と割り切っても、いざという時にあるのとないのとでは大違いです。使用頻度が低い場合は、普段は格納しておけば5人乗りとほぼ同じ広大な荷室が使えます。
3. リセールバリューは7人乗りの方が有利な傾向
中古車市場では、より多用途に使える7人乗りモデルの方が需要が高い傾向にあります。そのため、数年後に車を売却する際、同じ年式・走行距離・グレードであれば、7人乗りの方が高い査定額がつくことが一般的です。
もちろん、購入時の価格は5人乗りの方が数万円安いですが、将来的なリセールバリューの差額を考えると、トータルコストでは7人乗りの方がお得になる可能性も十分にあります。
これらの欠点を理解した上で、ご自身のライフスタイルが「絶対に6人以上乗ることはない」「荷室の広さが最優先」という条件に合致するのであれば、5人乗りは非常に合理的で満足度の高い選択肢となるでしょう。
欠点を理解しても「買い」と言えるのか?
ここまで、新型シエンタのデザインに対する評価や、5人乗りモデルの欠点など、少しネガティブな側面にも触れてきました。これらを踏まえた上で、結局のところ新型シエンタは「買い」なのでしょうか。
私の結論は、「特定のニーズを持つ人にとっては、これ以上ないほど『買い』な一台」です。
その理由は、シエンタが持つ数々の欠点を補って余りある、圧倒的な「パッケージングの妙」にあります。
1. 日本の家族に最適化された唯一無二の存在
シエンタの魅力を一言で表すなら、「日本の家族のための究極の道具」です。
- 狭い道でも安心な5ナンバーサイズ
- 子どもを抱いたままでも楽々な両側スライドドア
- 家計に優しいクラストップレベルの燃費
- 広々として使い勝手に優れた室内空間
これらの要素を、200万円台中心という価格帯で、しかもトヨタの品質と信頼性と共に提供している車は、他にほとんど見当たりません。デザインが好みでなかったり、走行性能に多少の物足りなさを感じたりしたとしても、この日常での使い勝手の良さは、何物にも代えがたい価値があります。
2. 「ダサい」と感じるかは、あなた次第
デザインが「ダサい」か「かっこいい」かは、完全に個人の主観です。一部の意見に惑わされず、ぜひ一度ご自身の目で実車を見て、運転席に座ってみてください。
アーバンカーキや2トーンカラーを選んだシエンタが、おしゃれなアウトドアショップの前に停まっている姿を想像してみてください。あるいは、北欧風のインテリアが、自分のライフスタイルにぴったりだと感じるかもしれません。
他人の評価ではなく、ご自身がそのデザインを好きになれるか、愛着を持って乗り続けられるかが最も重要です。
結論:こんな人には新型シエンタが絶対におすすめ
もし、あなたが以下の項目のいずれかに当てはまるなら、新型シエンタは後悔のない選択となる可能性が非常に高いです。
- 主に運転するのは街乗りで、取り回しの良さを重視する人
- 小さな子どもがいて、スライドドア付きの車を探している家族
- 車の維持費、特にガソリン代は1円でも安く抑えたい人
- 週末は家族でレジャーに出かけ、荷物をたくさん積みたい人
- 運転がそれほど得意ではなく、視界が広くて安心できる車を求めている人
新型シエンタは、100人中100人が「かっこいい」と言う車ではないかもしれません。しかし、ターゲットとするユーザーの生活を徹底的に考え抜き、その暮らしを豊かにするための機能と工夫が満載された、誠実で優れた「相棒」であることは間違いありません。